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LOGzeudon

名古屋で働いているWebデザイナーのブログです

インターフェースとは何か|UI GRAPHICSを読んだ感想

Twitterでたまたま見て興味を持ち、会社に購入いただき読んでみました。

感想

よかったところ

インターフェースに関連した最近の様々なテーマが凝縮された1冊、という感じです。

スマートフォンの登場をきっかけに、インターフェースの存在が物理的・精神的により身近になってきました。その背景・歴史や、インターフェースをこれからどう捉え、制作でどう向き合っていくべきなのか、ヒントが幅広く盛り込まれています。

より深く学びたいと思ったテーマがあれば、その記事の執筆者を調べるといろいろな情報にたどり着けます。なので、(自分みたいに)インターフェースについて学び始めた人には良い本なんじゃないでしょうか。

たぶんこういう人にオススメ
  • 近年のインターフェースの状況についてざっくり知りたい
  • 最近の優れたUIの事例を知りたい
  • インターフェースに関する基本的な知識、考え方を身に付けたい
  • 執筆陣の著書をまだ読んだことがない
たぶんこういう人には合わない
  • UIをどう構築していくのか、手法やノウハウを知りたい

本の特徴

「UI GRAPHICS」というタイトルになってますが、「UI」というか「インターフェース」についての本です。

本の構成ですが、複数の執筆者による「記事」、「UI事例紹介」、「インタビュー」という異なる形態のブロックが、順序入り乱れる不思議なものになっています。それぞれまとまってる方が読みやすいような…??

また、複数の執筆者の本なので、記事により「インターフェース」「UI」「GUI」など似た言葉が入れ替わり登場します。執筆者や記事によって微妙にとらえ方が違うように感じられて、少し混乱しました(インターフェースとインターフェイスの表記揺らぎもあります)。

事例紹介では、最新の事例が丁寧に紹介されています。AppStoreでダウンロードできないものはさておき、掲載されているものをとりあえずインストールして使ってみるのが良さそうです。

印象に残ったところ

インターフェースデザインとは何か

中村勇吾さん、Ivan Poupyrevさん、筧康明さんへのインタビューで、最初に「インターフェース(デザイン)とはなんですか?」という問いがあります。それぞれの方の意見をまとめると、このような感じです。

  1. インターフェースとは、「何か」と「何か」の境界を指す
  2. その境界が交わるところには、インタラクション(反応)が存在する
  3. インタラクションを含めた、「何か」と「何か」の関係性を成立させるための設計図を描くのが、インターフェースデザイン

で、この「何か」が「ユーザー」と「何か(情報など)」になると「UIデザイン」になるのだと思います。

UIデザインの事を「ユーザーが使いやすいようにレイアウトやボタンなどのパーツをデザインする」ことと思いがちですが、それはあくまで一部の要素に過ぎません。
「ユーザー」と「情報」をつなぐのは、タッチ画面のグラフィックやレイアウトかもしれないし、音声や光、デバイスの傾きや対物間の距離など多様です。それらも全て「UI」と呼べます。

この本で一番良いところは、「UI」というキーワードになんとなく惹かれて購入した人が、「UI」は「インターフェイス」に包括されるものであり、「UIデザイン」とは単に画面のレイアウトやパーツ作りではく、今後もさらに分野や可能性が広がっていくもの、ということを学べるところかもしれません。

その他

今の時点で、個人的に印象に残ったものを一部抜粋、要約し、紹介します。

抜粋

深澤直人さんが学生に向けて最初に話す言葉で「"いい"と"良い"はどっちがいい?」っていう問いがあって。時代の流れの中で、簡単には消費されない"いい"を作るにはどうすればいいかという問いが最も重要なんだと思います。-p049

私たちが未知のものに触れて慣れるというのはやはり時間がかかり、めんどくさく、ストレスを伴うものでもある。デザインの役割は、そのストレスの解消にある。どうやって人間が未知のものに相対した時のストレスを取り除き、自然と新しい概念を取り入れ、慣れる手助けができるか。そのために、デザイナーはありとあらゆる技術を使って試行錯誤を行い、知恵を絞り手を尽くす。-p081

印刷物だろうと立体物だろうと映像だろうとソフトウェアやサービスだろうと、制作物に触れる相手について、どんな気持ちで触れるのか、どんな状況で触れるのか、徹底的にイメージしなければ作ることはできない。-p082

レイテンシ(latency)とは、ユーザーが何か操作してから実際に反応が起こるまでの遅延時間のことで、当然現実世界では、何かモノを動かしている時にモノが遅れてくるということはなく、レイテンシは0である。つまり、レイテンシが少なければ少ないほど、それだけ「対象を意のままに操っている感覚」が生まれることになる。-p108

要約
  • 自動運転のような世界では、入力、出力という定義の境界がなくなってくる。しかし、その先は人がどれだけ納得できるインターフェースのデザインが求められる。いきなりすべて自動化する、ということにはならなくて、機械が担う部分と人間が責任を負う部分が緩やかに推移していくのでは。視覚だけでなく、匂いや触感など、相互感覚的に情報を伝えること、一方的ではなくいかに能動的な行動を促せるかどうかが重要になってくる。-p164~p165
  • iPhoneのロック画面を解除する際の数秒の間に、丁寧に作り込まれたモーションが無数に組み合わされている。これによりユーザーはこのGUIの世界を感じ取り、気持ちよく意識を没頭させることができる。-p194

以上です。もう少しいろいろ勉強してから読めば、また違った発見がありそうです。

UI GRAPHICS ―世界の成功事例から学ぶ、スマホ以降のインターフェイスデザイン

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